心の解析メモ〜個人的心理学整理ノート〜

ビジネス&普段に役立つ心理学

協調性が高い人は他者に厳しい(かも)

少し前に心理的安全性についてつぶやきを書きました。

その時、日本人は同調圧力が高めといわれるので、、と書いたのですが、その理由の一つかもしれないことも見つけたので、メモを記録します。

遺伝的にも原因があるかもしれない、というお話です。

 

その時のブログ:

心理的安全性とスクラム(チーム運営)、徒然なるままに… - 心の解析メモ〜個人的心理学整理ノート〜

 

 

最後通牒ゲーム

100万円があり、その前にAさんBさんの2人がいたとします。この2人で100万円を分けるとき、Aさんに取り分の割合の提示権を、Bさんにその承認/拒否権を与えます。

Aさん提示の配分割合にBさんが承認を行った場合にのみ双方、そのお金が受け取れます。Aさん提示の配分割合にBさんが否決をした場合は双方、お金が受け取れません。

双方、バランスを取ることが求められるわけです。
このルールが「最後通牒ゲーム」といわれるそうです。

最後通牒ゲームの結果の傾向

最後通牒ゲームでの配分について、実際に実験をすると、Aさん役提示の配分割合が半分(5:5)なら、ほぼ拒否権が発動されることはなく、双方、お金が受け取れます。
配分割合に偏りがある場合、つまりAさん役が自分の分を多めに取ろうとした場合に、Aさん役(配分割合の提示する側)が自分の取り分をある一定の割合※にするまでは、Bさん役(承認する側)は承認するそうですが、Aさんの取り分がその割合を超えてしまうと、Bさん役が拒否する確率が8割を超え、それまでの拒否権発動割合と逆転するそうです。

※実際にはこの場合、7割、7:3あたりが分岐点になるそうです。

 

 Aさん役が自分の取り分としてそのある一定の割合以上を提示する場合、つまり、極端な偏りがあって、公平でない、その差分は許せないと感じる場合、ほとんどのBさん役の立場の人は承認しない、拒否権を発動するということです。拒否権を発動してしまえば、全くお金がもらえないのに、です。

Aさん取り分の配分が全取り(10:0)でもない限り、これ自体はとても非合理的に見えます。拒否権を発動しなければ、少しだけでも自分も取り分をもらえるのですから。

なぜBさんは非合理的な行動をするのか

ここで、Bさん役の拒否権の発動の傾向については、ばらつきがあったのだそうです。

少々不公平な割合でも合理的に妥協して、承認をするBさん役と、損をしてでも拒否権を発動してしまうBさん役との違いは何か、という点について、従来はその人個別の「攻撃性の高さ」が原因ではないかと考えられてきたそうです。

ですが、これを心理学で代表的なパーソナリティを分析する性格検査を行なって確かめたところ、そうではなく、拒否権を発動しやすいBさん役については「協調性の高さ」が共通点だったのだそうです。

つまり、協調性の高い人は、基本的に個人の利益よりも集団の利益を優先するので、自分が損をしても拒否権を発動し、不公平な事態を許さないという行動をとっていると考えられます。

逆に表現すると、協調性の高い人は、不公平や他者に厳しいと言えるということになります。特にまじめで日々努力をしている人ほど、それを他者と比べて、不公平を感じることになるので、他者に厳しくなりやすいのではないかと思います。

おまけ:協調性の高さは遺伝する?

この時、協調性が高い、先ほどの実験で拒否権を発動しやすかったBさん役の人は脳内にも特徴があったそうで、脳内の「セロトニントランスポーター」というタンパク質の密度が低かったそうです。

セロトニントランスポーターの密度が高いと楽観的な判断をする傾向があることがわかっており、これが低いということはこの人たちは悲観的な判断をする人たちで、その結果、勤勉で準備を怠らない人たちということになります。
協調性と、このタンパク質濃度が低い件と、どちらが本当の原因か2つともなのか、は正直、ちょっと腹落ちしませんが、このような人たちが前に述べたゲームでは非合理的な行動に出るわけです。矛盾はしてない、と思います。

このセロトニントランスポーターの濃度は影響する遺伝子が判明しており、S型L型の2種類の方の組み合わせで決まり、SS型が最も低くなるそうでです。

日本人はこのSS型の保有率が世界の中でも高く、7割近くが該当するそうです。LL型は2%しかいないそうです。となると、低い傾向を示す遺伝子の保有率は98%となります。こんな確率なのは日本以外にはないそうです。

つまり、日本人は98%の人が遺伝子的に悲観的に考える素養を持っていて、協調性がおそらく高い人が多く、これは世界の国の中でも特異なことであるということになります。

 

終わりに

少し前に勉強した内容について、関連した内容を見かけたので記録してみました。

私なりに印象的だったところの記録と、自分なりの解釈も入っているので、細かい内容が気になる方は、以下の本をぜひ。

 

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