心の解析メモ〜個人的心理学整理ノート〜

ビジネス&普段に役立つ心理学

能力に限界は決まってるから伸びない?能力観について

自分の持っている能力って、伸びるものと思いますか?伸びないものと思いますか?

どちらでしょう?

伸びるものだと思うか、持って生まれたもので伸びないと考えるか、で人はそもそも違う反応を示すそうです。

能力観についてのお話。

 

達成目標理論(Diener & Dweck, 1978 ,1980)

能力観そのものに関連する理論がある。Dweckは知能觀(能力をどう捉えるか)を以下の2つで定義した。

  1. 増大理論(incremental theory)
    能力は伸ばすことができると考えている。そのため、「学習目標」(新しい能力を身につけ、能力を伸ばしたいという目標)を持つ。

  2. 固定理論(entity theory)
    能力は固定されており、変えられないと考えている。そのため、「遂行目標」(能力について肯定的な評価を得たい、否定的な評価を回避したいという目標)を持つ。

1:増大理論を適用している人、局面

能力は伸びるものだと捉えているので、努力して何かができるようになった時や、理解できるようになったことに対して、価値をおき、自己評価する。

何を学べるか、何を学んだか、成長できたかに注目する。学ぶことには時間がかかることを理解している。といった特徴を示す。

→自分の能力に対する自己評価が高くても低くても、諦めずに挑戦する傾向がある。

2:固定理論を適用している人、局面

能力は伸びない、固定されていると捉えているので、その持っているものが如何に評価されるかに関心がある。

物事や行動、能力に対して、それが正解か、誤りか、良いか、悪いか、結果に注目する。努力したかなどのプロセスは関係なく、間違いのないこと、他者と比べて簡単にできること、などに価値をおき、自己評価する。結果的に常に緊張感を持つ、成功すると優越感を感じるといった特徴を示す。

→自分の能力に対する自己評価が高い場合、諦めずに挑戦できるが、低い場合はすぐに諦めてしまう傾向がある。

3:これをコーチングや人材管理に応用する

例えば、評価する、褒める時に差が生まれる。

  • 増大理論の知能觀で評価すると?
    プロセスを大事に努力や、工夫、などについて評価して、褒める
    →結果がどうであれ、行動(=自分でコントロールできること)に対して評価され、それを続けようというモチベーションが働く。

  • 固定理論の知能觀で評価すると?
    プロセスに関係なく、結果、成績、能力など結果について評価して褒める
    →持っている能力、結果(=場合によってはコントロールできない)によって評価されるので、評価に一喜一憂する。うまくいかない時に次に行動や努力をしようというモチベーションになれず、前向きになりにくい。

まとめてみて

固定理論を取るよりは、増大理論を取る方が努力のしがいもあるので、やる気が維持されるとは思うが、その際に自分がどのような考え方をもっていて、どう評価しているのかをまずは自覚する必要があるな、と感じました。

管理職の場合、自分がどのようなフィルタでものを見ているか(XX観)によって、評価する箇所も内容も軸が違ってくるので、他者に対するフィードバックも結果的に違ってくることになり、評価された他者もその認識や評価軸を合わせてしまうので、それが人に与える影響は大きい。

こういったことが他人の物の考え方自体に影響を与えると考えれば、職場の環境というものの影響は思ったよりも大きいと肝に銘じなければならないですね。

皆さんは人を褒める時、どんな褒め方をしますか?ご自分の能力觀がどちらに近いのか、褒め方から振り返ってみませんか?思ったよりも固定理論かもしれませんよ。

にほんブログ村 経営ブログ マネジメントへ
にほんブログ村

にほんブログ村 経営ブログ コーチへ
にほんブログ村